牛丸ありさ(yonige) SPECIAL INTERVIEW -前編-

9月 16, 2022


 

グレッチはインパクトがあってアイコニックな存在

 

yonigeの牛丸ありさ(Vo,Gt)がスペシャルインタビューに登場。これまでグレッチを使用したことがないという彼女に、G5420T Electromatic® Classic Hollow Body Single-Cut with Bigsby®を弾いてもらった。インタビュー前編では、ギターを始めたきっかけや学生時代の練習、そしてグレッチのイメージやインプレションについて聞いた。

 

歌うことと曲を作るほうにエネルギーを注ぐようになった

 

― ギターを始めたきっかけから教えてください。

牛丸ありさ(以下:牛丸) 中学1年生の時に、YouTubeでチャットモンチーのライヴ映像を観て“女の子でもこんなにカッコ良くギターが弾けるんだ”ということに感動して。叔父がギターをやっている人だったので、“ギターが欲しい”とねだったら叔父がギターを買ってくれて、弾き方も教えてくれました。

 

― 当時、チャットモンチーの他に好きなバンドはいましたか?

牛丸 BUMP OF CHICKEN、RADWIMPS、ASIAN KUNG-FU GENERATIONが好きでしたね。コピーに関しては、今挙げたようなバンドは難しくて。初心者でも練習しやすかったので、最初はチャットモンチーをコピーしていましたね。

 

― その頃、バンドはまだ組んでいない?

牛丸 最初は一人でギターを弾いていました。中学1年生の時はソフトボール部だったんですけど、ソフトボール部の仲いい友達でバンドをやろうよって。別にどこかで演奏を披露するわけでもないんだけど、スタジオを借りて5人くらいで練習していましたね。それがチャットモンチーのコピーバンドでした。

 

― 初心者時代はどういう練習をしていましたか?

牛丸 うーん、コピーしかしていなかったですね。ずっとFコードが弾けなかったのですが、私が好きな楽曲にたまたまFやバレーコードが出てこなかったので、“あ、別にFが弾けなくてもギターって弾けるんだ”と思って、最初は簡単なコードだけをひたすら弾いていました。その時点では、ギターが上手い人になりたいというよりも楽しく弾きたい気持ちが強くて、ずっと簡単なことしか弾かずにいたら、3年後くらいに自然とFが弾けるようになっていて(笑)。

 

― 最初は歌いながらギターを弾いていたんですか?

牛丸 いえ、ギターだけでしたね。中学生の頃はヴォーカルになるつもりは全然なくて、ひたすらギターを弾いていました。高校で軽音楽部に入って、ヴォーカルがいなかったから“じゃあ私が歌うわ”って。それこそチャットモンチーと同じ、女の子3人編成で活動するようになりました。高校の間もずっとコピーでした。チャットモンチーをコピーしつつACIDMANとかTHE BACK HORNもコピーしていましたね。THE BACK HORNは4人組バンドですけど、ヴォーカル&ギターであれば3人でもできると思って。

 

― 歌うようになってギターの弾き方は変わりましたか?

牛丸 最初は手と口を別々に動かすのが大変で、ただひたすら練習するだけでした。家でも部室でもずっと繰り返し弾きながら、歌う感覚をつかむために練習していました。

 

― 歌いながら弾くためのコツはありますか?

牛丸 リズム感が狂うことがあるので、右手(ストローク)でリズムを取るようにして歌うといいと思います。右手がメトロノーム的な感じで機能すれば、あまり歌につられずに弾けるのかなと思います。オルタネイトピッキングでダウンがオモテ拍、アップがウラ拍と合わせて弾けばできると思います。何回も何回も弾いてコツをつかむしかないですね。ゆっくりのテンポから始めて、徐々に慣れていくのがいいと思います。

 

― ギターソロは弾いていましたか?

牛丸 バンドでは3人で弾ける曲を演奏していたので、そこまでゴリゴリのギターソロは弾かなかったんですけど、バンドではなく一人でマキシマム ザ ホルモンの曲を好きで練習していましたね。でも、ギターソロは大変でした。本当に上手くならなくて、高校生の時は毎日練習していました。部室でも最後まで残って練習したり、家に帰ってからも練習していたんですけど、本当にギターが上手くならなくて(笑)。高校を卒業するタイミングでyonigeを始めたのですが、高校3年間でギターをどれだけ練習しても上手くならないと思って、歌うことと曲を作るほうにエネルギーを注ぐようになったんです。

 

Arisa Ushimaru Special Interview B

 

ギター上手くなったのかな?と錯覚するくらい良い音です

 

― グレッチに対してどんなイメージを持っていますか?

牛丸 グレッチは、椎名林檎さんの「丸の内サディスティック」の歌詞に出てくる“ベンジー あたしをグレッチで殴って”のイメージが強かったです(笑)。男っぽい渋カッコいい人が使っているイメージだったんですけど、もちろんカッコいい音も出るけどその顔だけじゃない、温かくて優しい顔も持っているなと思いました。あと、もちろん音も良いですが、見た目がすごく脳に入ってくる感じがしました。インパクトがあってアイコニックな存在。このオレンジ色が目立つということもありますけど、見た目の印象が強いので、普通に女の子が使ってもめっちゃかわいいギターだと思います。

 

― 初心者にもオススメでしょうか?

牛丸 初心者でグレッチを選ぶ人ってチャレンジャーだと思います(笑)。でも、初心者に向いていないとはまったく思わないです。女の子が持っていたらめっちゃかわいいし、軽音楽部でグレッチを持っていたら目立つしカッコいいと思います。チャレンジしてもいいと思います。

 

― 今回、G5420T Electromatic® Classic Hollow Body Single-Cut with Bigsby®を弾いてみていかがでしたか?

牛丸 リハーサルでアンプに通して弾いたのですが、クリーントーンの音に温かみがあって、ローも温かい感じで気持ち良くて、フロントピックアップはアルペジオやコード弾きをしたくなるサウンドでした。リアピックアップは、クランチサウンドにしてジャキジャキ弾くのが気持ち良くてカッコいいと思いました。

 

― フロントピックアップはどんなサウンドでしたか?

牛丸 ギターの音を聴き分けるのが苦手なんですけど、自分の持っているギターとは全然違いましたね。ギター上手くなったのかな?って錯覚するくらい良い音なんですよね。(笑)。ローが温かく包み込んでくれるような音でした。

 

― 歪ませて弾きましたか?

牛丸 はい。歪みサウンドも気持ち良くて、耳が痛くなる感じがないんですよ。キンキンうるさくなくて、温かいトーンでしたね。家で生音で弾いたりもしたのですが、ホロウボディだから家で弾くのにはちょうどいい音量ですね。

 

― 今後、どういったシーンで使えそうですか?

牛丸 まだ実戦では使っていませんが、曲作りで使ってみたいなと思います。yonigeのサポートメンバーの土器さん(Gt)は、グレッチの歪んだ音を気に入ってらっしゃって。歪んだ曲もいいなと思うんですけど、個人的にはフロントピックアップでポロポロ弾くのが好きだったので、けっこうゆったりしたアルペジオを聴きたい曲で使うのもいいのかなと思います。

 

後編に続く

 

Arisa Ushimaru Special Interview E

G5420T Electromatic® Classic Hollow Body Single-Cut with Bigsby®

 


yonige

大阪寝屋川出身。2013年結成。牛丸ありさ(Vo, Gt)、ごっきん(Ba, Cho)の二人からなるバンド。2022年は5月にデジタルシングル『デウス・エクス・マキナ』を、9月に『サイケデリックイエスタデイ (re-arrange ver.) 』をリリース。10月からは全国ツアー〈退屈ツアー〉を開催する。
https://yonige.net