山口隆(サンボマスター)Special Interview -前編-

8月 5, 2022


 

グレッチのG6120は“くよくよすんなよ”って声をかけられているような安心感がある

 

ロックンロールの初期衝動をベースにソウルやファンク、ジャズなどさまざまなジャンルを取り入れたサウンドでシーンを賑わせ続ける3ピースバンド、サンボマスターから山口隆(唄とギター)が登場。インタビュー前編では、グレッチとの出会いについて話を聞いた。

 

─ 山口さんがギターを始めたのはどんなきっかけだったのですか?

山口隆(以下:山口) やっぱりブルースやロックンロール、ジャズ、ソウル…それらを鳴らす人たちに憧れたのがそもそものきっかけですね。

“かっこいいなあ”って。初めて買ったギターは中学生の頃。楽器屋で4万円を出すと、アンプから何から全部ついてくる初心者キットで、“英検に受かったら買ってもいい”と親に言われてめちゃくちゃ勉強しましたね(笑)。

 

─ 最初はどんな練習をしましたか?

山口 Fというコードを見て“こんなの弾けるはずがないな”と最初は思いました(笑)。

僕、普通の人より指が短いので余計に無理だろうと。でも、やっているうちに気づいたら押さえられるようになっていました。

そんなふうに少しずつコードを覚えていったのですが、とにかく例えばB.B.キングさんみたいに弾きたかったので、ひたすら見よう見まねで。

ギターを持っていることが楽しくて仕方なかったんですよ。それを持っていれば、自分が夢見た世界にちょっとでも足を踏み入れられた気がして。“上達してキレイに弾けるようになる”とかはさほど重要じゃなかったかな。

 

─ では、グレッチに関してはどんな印象を持っていましたか?

山口 もちろん大好きでリスペクトがあります。デュアン・エディさん、エディ・コクランさん、もちろんチェット・アトキンスさん…ロックンロールの歴史に名を残す多くの偉大なギタリストが使っていて、凄いなぁと思ってます。

80年代に入っても、いろんなアーティストがアルバムジャケットやアー写でグレッチを抱えていたり、パンクロッカーでも愛用している方がいたり、身近にも感じられて、グレッチのそんなところも好きです。

とにかく、フェンダーやギブソンのギターに比べてボディが“でかい”イメージですよね。カントリーの大御所の人とかが、ものすごくデカいグレッチを抱えて弾いている姿に“カッコいいなあ”“ロックだなあ”って思いましたね。

 

─ 実際にグレッチを触ったのはいつ頃?

山口 先輩が持っているのを弾かせてもらったのが最初かなあ。今日持ってきたのはG6120T-59VS。ローディーの方が“実はヤベえグレッチがあるんですよ”と言って持ってきてくれたんです。それでライブとかで使うようになったのが去年の1月とかだったかな。G6120は、それこそ“グレッチと言えば、これ!”という声があるくらい代表格ですよね。いわゆるカントリーのフレーズを弾きたくなるし、TVジョーンズの音を纏っているぞという嬉しい気持ちになるギターですよ。音色もこれがまた人情味あってね(笑)。ライブなどではけっこうデカい音を出すこともあるけど、あまりハウらないんですよね。僕の場合はですけど。なので、ハウらせたい時はわざわざブースターを踏んだりしています。

 

─ へえ!

山口 G6120はね、何を弾いてもどこかカラッとしたサウンドが残る。“くよくよすんなよ”って声をかけられているような安心感というか。希望を感じますね。

 

─ いつもどんなふうに弾いているんですか?

山口 すごく鳴りがいいので、家だったらアンプも通さずに弾いてますね。ソウルフルなフレーズを弾いて一生過ごしたいですね(笑)。グレッチはいろんなフレーズが弾けるんですよ。

 

Sambomaster Special Interview B

 

─ 今日は6月に発売された4種類の新モデルを試奏してもらいました。

山口 4種類とも全部良かったなあ。どれも弾きやすくて、今日初めて触ったギターなのに違和感もなく指に馴染むというか。ただ、弾きこなすのが難しいギターも大好きです。そっちはそっちで楽しいんですよね。“ちゃんと弾きなさいよ?”とギターに言われている気がして。新モデルには勝手にストリートっぽさも感じました。一緒に繰り出そうぜ、みたいなところがあるというか。ギターってそういうところもいいですよね。

 

─ ちなみに今、山口さんが手にしているG5222 Electromatic® Double Jet™は、どんな人たちに弾いてほしいですか?

山口 いろんな人に弾いてほしいですよね。デュアン・エディさんやエディ・コクランさん、チェット・アトキンスさんにジョージ・ハリスンさんなど、ロックレジェンドたちも手にしたグレッチの新作ですから。でも、けっこうキレイな音も出る。メジャーセブンスとか弾くといい音しますよ。価格もお求めやすいというか、頑張れば。どうだろう?(笑)。カラーリングもライヴ映えするし、好きな人が多そうですね。

 

後編に続く

 


 

サンボマスター

山口隆(Vo,Gt)、近藤洋一(Ba,Cho)、木内泰史(Dr,Cho)からなる3ピースロックバンド。2000年結成。2003年、オナニーマシーンとのスプリットアルバム『放課後の性春』でメジャーデビューを果たす。2022年8月17日(水)、豊洲PITにて〈サンボマスター 対バンツアー 2022「LIVE with NAKAMA」〉を開催。

https://www.sambomaster.com