藤巻亮太 Special Interview -後編-

6月 7, 2022


 

G5420T Electromaticどんな曲を弾いてもハマりそう

 

2003年、レミオロメンのヴォーカル&ギターとしてデビュー。数々のヒット曲を放ち、2012年からはソロ活動を開始。地元・山梨で野外音楽フェス〈Mt.FUJIMAKI〉を主催するなど、精力的な活動を続ける藤巻亮太が登場。後編では、今回試奏してもらったグレッチのG5420T Electromaticについて、主催する〈Mt.FUJIMAKI〉について、3ピースバンドの中で弾くギターの醍醐味、そしてギタービギナーたちへのメッセージをいただいた。

 

見た目も含めてグレッチらしさがちゃんとある

 

― インタビュー後編、まずは今日初めて弾いて頂いた最新のグレッチ: G5420T Electromatic® Classic Hollow Body Single-Cut with Bigsby®を試奏しての感想から聞かせてください。

藤巻亮太(以下:藤巻) コード弾きとアルペジオを多く弾いたんですが、素直にいい音がしましたね。特にフロントピックアップで弾いた時は、弾いていてすごく気持ち良かったです。“プリン”としているんだけど、こんな感じだったっけ?というくらい変にジャリッとしていなかった。あまり曲を選ばないギターなんじゃないかな。

 

― 服で言うと、White Falconがステージ衣装であれば、G5420T Electromaticは普段使いができる服みたいな?

藤巻 ええ。どんなバンドのサウンドにも合いそうですよね。ものすごく気持ち良かったし、いい音だなって思いました。どんな曲を弾いてもハマりそうな感じがします。

 

― G5420T Electromaticは一定の人、一定の曲だけではなくて、いろいろな人にグレッチのギターに触れてほしい、いろいろな曲でグレッチのギターを弾いてほしいという想いがあります。

藤巻 その想いはかなっていると思います。見た目も含めてグレッチらしさがちゃんとありますし。初めてグレッチを弾くのにはいいと思います。

 

― さて、直近の藤巻さんの活動の話も聞かせてください。

藤巻 ここ最近は、いろいろなイベントができるようになりましたし、有観客ライヴも増えてきています。そんな中、毎年地元・山梨で開催している〈Mt.FUJIMAKI〉というフェスが10月にありまして、そこに向けて準備が始まっています。この2年はコロナの影響で、なかなか現地で開催できなかったんです。今年は地元で開催できると信じています。富士山の麓、山中湖の畔というとてもロケーションが良い場所で、しかも10月初旬は本当に気持ちのいい季節なんです。いい環境でいい音楽を楽しんでもらえるんじゃないかなと。いろいろなアーティストの方が出演してくれますので、そこに向けて準備をしています。

 

― 2年ぶりの有観客だと、かなり想いも強いのではないかと思いますが。

藤巻 僕はいろいろな意味で地元に育んでもらったと思うんです。音楽の源泉もそうですし、それが歌になってきたと思うんです。40歳近くになってからこのフェスを始めたんですが、地元を音楽で盛り上げたいという想いがあります。本当にいい場所なので、県外の方にも来ていただいて、山梨を好きになってほしいなと思っています。

 

― 今年で何回目になるんですか?

藤巻 5回目になるのですが、コロナ禍で3回目は中止。4回目は都内から配信でした。今年は、去年と一昨年にオファーしていた方々も地元・山梨にお招きしたいと改めてお声がけをしたら、出てくれるといってくれた方も多くいらっしゃって。本当にありがたいことです。そうすると当初は1日の予定だったんですが、1日だけでは時間が足りないので、2年分の想いを込めて、今年は10月1日(土)と2日(日)の2daysで開催できることになりました。たっぷりと楽しんでいただけたらと思っているので、ぜひ遊びに来てほしいです。

 

― 主催者として一番こだわっている点は何ですか?

藤巻 ここでしか聴けないコラボレーションと、ロケーションと季節感は本当に完璧だと思います。いろいろなフェスがありますけど、家族でも楽しめるような人を選ばないフェスです。家族で座りながら後方から観てもいいですし、前方でスタンディングで観ても盛り上がれるフェスなので、老若男女、のんびりと過ごしてください。さらに、山梨の美味しい食べ物を召し上がっていただきながら、音楽を楽しんでもらえたらと。こういう時代ですから、活力になるようなライヴにしたいです。来てくださった方も、観たあとは“明日も頑張ろう”と思ってもらえるような気持ちのいいフェスになると思います。

 

― 藤巻さんは2daysともご出演ですか?

藤巻 はい。初日はアコギで弾き語りを、2日目はバンドで出させてもらいます。どこかでWhite Falconを弾けたらいいですね。

 

Ryota Fujimaki Special Interview D

 

歌という制約の中で何かをやろうとするのが面白い

 

― コロナ禍という言葉も出ましたが、このコロナ禍のおうち時間でギターを始めた方も多いようです。ビギナーの方にアドバイスやメッセージを送るとしたら?

藤巻 僕もギターを始めた頃、好きな曲をコピーして、CDで鳴っているのと同じようなフレーズが弾けた時の感動をずっと覚えています。僕の場合は、ユニコーンの「すばらしい日々」のイントロでした。弾けた時に“CDと一緒だ!”って中学生ながらに思ったんです。音楽は“listen”の楽しさもあるけれど、弾けた時の“play”の楽しさってやっぱり別格ですよ。そこからハマって弾き語りをしてもいいし、自分の曲を作ったっていい。入り口として、好きなアーティストが持っているギターを持つでもいいし、好きな曲の好きなフレーズを弾いてみてもいい。ギターを弾いてみると、かなり違う景色が広がると思います。

 

― ギターに関して挫折はなかったんですか?

藤巻 挫折というよりも、自分自身がギターを上手いと思ったことは一度もないので(笑)。だから、逆にギターに関しては挫折を感じたことはないかもしれません。

 

― でも、もともと3ピースでデビューして、歌いながらギターソロも弾いていましたし。

藤巻 3ピースで良かったなと思うのは、歌いながら弾けるフレーズに挑戦したことです。いろいろなことを頑張ったので、少しガラパゴス化できたと思うんですよ。ギタリストの方だともっと器用に、もっとギターっぽくなるんだけど、歌という制約の中で何かをやろうとするのが面白くて。ギターをずっと弾かれてきた方々の足元にも及ばないんですけど、“歌の中で鳴るギター”は意識していました。それは未だにあるんですよね。“3人で成り立っている”ってカッコいいなと思っています。だから、レコーディングでも音数少なくても済むようにしていたし、ダビングが少なくても成り立つようなアイディアは必要じゃないですか。そういう探究は飽きたことがなかったです。

 

― いろいろな3ピースバンドがいますが、レミオロメンの場合は確固たる歌ものの中での3ピースバンドということで、本当に珍しかったと思うんですよね。

藤巻 それが原点なんですよね。僕だけじゃなくて2人の演奏も。あとは、やっぱり音の隙間が怖いので“誰が埋めるか?”みたいなメンタリティーがみんなにあったんです(笑)。

 

― とは言え、藤巻さんはギター&ヴォーカルに関してやはり突出した存在だと思います。

藤巻 いやいや。3ピースで成り立つように工夫はしていましたけど、今は別に3ピースにこだわっているわけじゃないんです。ただ、3ピースで成り立つもののカッコ良さは知っているつもりです。それができたらいいなという想いは、やっぱり未だにありますよね。

 

― ヘンな話、ソロでの弾き語りもある意味で余裕なんじゃないですか?

藤巻 いやいや。でも、レミオロメンはやっぱりリズム隊に助けられてきましたよ。ソロはソロで違うなって部分も、今は楽しんでいます。

 

前編はこちら

 


藤巻亮太

1980年生まれ。山梨県笛吹市出身。2003年にレミオロメンの一員としてメジャーデビューし、「3月9日」「粉雪」など数々のヒット曲を世に送り出す。2012年、ソロ活動を開始。1stアルバム『オオカミ青年』を発表以降も、2ndアルバム『日日是好日』、3rdアルバム『北極星』、レミオロメン時代の曲をセルフカバーしたアルバム『RYOTA FUJIMAKI Acoustic Recordings 2000-2010』をリリース。地元・山梨では2018年から野外音楽フェス「Mt.FUJIMAKI」を主催し、2022年は山中湖交流プラザきららにて10月1日、2日の2days開催が決定。

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