内⽥怜央(Kroi)Special Interview -前編-

6月 28, 2022


 

グレッチは憧れの中の憧れ

 

R&B、ファンク、ソウル、ヒップホップなど、あらゆる音楽ジャンルを主軸にしつつ、衝動的なロックを織り交ぜるなど鮮烈なミクスチャーサウンドを構築する5人組バンド“Kroi”から、ヴォーカル&ギターの内田怜央が登場。前編ではグレッチとの出会い、ギターに求めるものを中心に話を聞いた。

 

グレッチはディープファンク的なノリの音も出せる

 

― グレッチを認識したのはいつ頃ですか?

内田怜央(以下:内田) 小学校4〜5年生の時に、Charさんと布袋寅泰さんとブライアン・セッツァーの3人のライヴがあったんです。ちょうどギターをやりたい熱が湧き上がっていて、お母さんに頼んでそのライヴを観に行ったんですよ。その時に初めてグレッチを見ました。

 

― 最近、G5420T Electromatic® Classic Hollow Body Single-Cut with Bigsby®を購入されたのは、何か理由があったんですか?

内田 5月にリリースした「Pixie」のMVの世界観的に、アメリカンなヴィンテージの匂いのする造形を映したかったのもありつつ、グレッチのサウンドは唯一無二なので、やっぱり1本は持っておきたくて買いました。

 

― ライヴ映像を見ると、フェンダーのStratocaster®︎も弾いていますね。

内田 そうですね。自分たちの楽曲はすごく幅広いので、ライヴの時はストラトのように全部のピックアップが使えるギターを好むのですが、レコーディングの時はいなたいサウンドが欲しい時が多々あるんです。楽曲制作ではこのG5420T Electromaticでコードを弾き始めて、そのあとにビートを乗せる作り方も面白いと思っているので、いなたいギターは好きですね。

 

― 弾き心地はどうですか?

内田 箱モノのギター自体が好きでよく弾いているのですが、すごく弾きやすいですよね。普段、箱モノを弾いていない人でも弾きやすいと思います。あとは、ギター自体が全体で鳴っている枯れた感覚が、弾いている時に体に伝わるんです。そういう点でもすごく好きなギターです。アンプにつながないで練習している時も、何か気持ち良かったりするんですよ。

 

― “このギターでコードを弾きながらビートを作ると面白そう”と話していましたが、このギターから何か呼ばれる感覚なのでしょうか?

内田 G5420T Electromaticのようにわかりやすくキャラクターがある楽器って、最初にフレーズを考えてから他のビートやベースラインを考えていくと、それが映える楽曲になりやすいんです。例えばボンゴを入れたいと思ったら、ボンゴのリズムを作ってからビートやベースを作ってコードを考える。そういう感じでバラバラに作っていくんです。このグレッチにはキャラクターがあるので、そういう時の最初に使っていきたいと思っています。グレッチってロックンロールのイメージがありますけど、ディープファンク的なノリの音も出せると思いますね。

 

― そういう風に使ってくれるのは、グレッチの新しい扉を開いてくれているような気がします。

内田 ギターとして素晴らしいので、ジャンルのイメージに縛られないでほしいという想いはありますね。

 

― ファンクに欠かせないカッティングでもいける感じですか?

内田 カッティングもいいのですが、どちらかと言うとアル・グリーンのバックで鳴っている、すごく枯れたR&B的なアルペジオを作れるんじゃないかな。アメリカンなサウンドなので。

 

― 購入してからどれくらい経ちますか?

内田 本当に最近ですよ。1〜2カ月ですね。今はちょうどアルバムを作っているので、その制作で使っている感じです。

 

― ライヴで使う可能性は?

内田 あると思います。例えばワンマンでギターを変える余裕がある時は、このギターにしか出せない音があるので使いたいなと思いますね。

 

― メロウな曲でとか。

内田 めちゃめちゃアリだと思います!

 

Kuroi Special Interview B

このG5420T Electromaticはキャラクターも使いやすさもある

 

― ところで、G5420T Electromaticは探していたんですか? それとも偶然に出会って?

内田 偶然もあるんですけど、もともと欲しかったのもありますね。やっぱり、グレッチは憧れの中の憧れなので。ブライアン・セッツァーもそうですし、ジョン・フルシアンテ大好きっ子だからWhite Falconへの憧れもありますし。グレッチのクリーントーンも好きで、枯れたようなサウンドの中でもすごく良い枯れ方というか、良いサウンドを出してくれるので憧れがずっとありました。1本は絶対に持っておかないと!と昔から思っていましたね。

 

― 「Pixie」のMVではWhite Falconも弾いていますが。

内田 あれは撮影用に借りたので、今後はWhite Falconのためにメイクマネーします(笑)。White Penguinも好きなので、さらにメイクマネーしないとですね(笑)。

 

― 普段、ギターを買うにあたって求めているものは何ですか?

内田 使いやすさですね。あとはキャラクターです。使いやすいギターはそれはそれで欲しいのですが、それとは別にキャラクターがあるギターは曲を作るために欲しくなるんです。楽器を買うと、やっぱり曲ができるんですよ(笑)。なので、キャラクターがある楽器を欲する傾向はありますね。このG5420T Electromaticはどちらかに振り切っているギターではないですね。キャラクターも使いやすさもある。

 

― 今、ギターは何本お持ちですか?

内田 けっこうあります。十数本ですかね。

 

― ヴィンテージにはこだわらないですか?

内田 こだわらなくなりましたね。昔はヴィンテージギター欲がすごくあったんです。でも、今メインで使っているギターは中学3年生から使っているギターで、そいつをこの前に久々に弾いてまたメインに戻したのですが、育ちがすごく良くて(笑)。その感覚が好きになっちゃったので、現行のギターを買って自分で育てたい意欲が出てきました(笑)。

 

― わかります。現行品はどう化けるのかわかりませんが、ヴィンテージは育ち上がっていますからね。

内田 ただ現行モデルでも、モダンなものよりもヴィンテージ的なサウンドの楽器が好きですね。そういう意味でも、このG5420T Electromaticは好きです。

 

後編に続く

 


Kroi

R&B、ファンク、ソウル、ロック、ヒップホップなど、あらゆる音楽ジャンルからの影響を昇華したミクスチャーな音楽性を提示する5人組バンド。メンバーは、内田怜央(Vo,Gt)、長谷部悠生(Gt)、千葉大樹(Kb)、関将典(Ba)、益田英知(Dr)。2018年2月に結成。同年10月、1stシングル『Suck a Lemmon』でデビュー。2021年6月には1stアルバム『LENS』でメジャーデビューを果たす。音楽活動だけでなく、ファッションモデルやデザイン、楽曲プロデュースなど、メンバーそれぞれが多様な活動を展開し、カルチャーシーンへの発信を行なっている。ニューアルバム『telegraph』を7月27日にリリース予定。

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