チバユウスケ(The Birthday)Special Interview -前編-

11月 25, 2021


ギタリストがテレキャスで、ヴォーカリストがグレッチだなんて最高

 

咆哮のようなヴォーカル、切り裂くようなギターカッティング、地を這うようにうねるグルーヴ。90年代、その圧倒的なサウンドとカリスマ性でロックシーンに風穴を開けた伝説的バンド“THEE MICHELLE GUN ELEPHANT”。そのヴォーカル&ギターであり、ミッシェル時代からグレッチを愛用し続けているチバユウスケにスペシャルインタビューを敢行。インタビュー前編ではグレッチとの出会い、そして取材に持参していただいた7本の愛用グレッチギターについて話を聞いた。

 

アベは大概“いいじゃん”って言うんだよ。じゃあ買おうかなって

 

― グレッチとの出会いはいつですか?

チバユウスケ(以下:チバ) ミッシェル(THEE MICHELLE GUN ELEPHANT)のアベ(フトシ)と、原点回帰じゃないけどガキの頃みたいに二人で飲みながら話してて。“俺、グレッチ買おうかな”って言ったら、アベが“いいじゃん”って。ギタリスト(アベ)がテレキャスで、ヴォーカリストがグレッチだなんて最高だって。それでね、楽器屋で働いていた友達に頼んで買ったんですよ。それが99年のことだと思う。

 

― グレッチを知っていたということですが、誰の影響ですか?

チバ ブライアン・セッツァーだね。

 

― グレッチのギターに対して、どんなイメージを持っていましたか?

チバ 歪まないイメージがあったよね。そりゃ、何か(エフェクターを)踏めば歪むんだろうけど。未だに俺、フルアコとセミアコの違いがわからないんだよな。だから、形状のことはあまりわかっていない。昔、ペグのことをナットって言っていたからね(笑)。

 

― グレッチの購入はアベさんとの会話がきっかけだったんですね。

チバ そうそう。それでカタログを頼んだんじゃないかな。で、これがいいなぁって。それが今日持ってきた6119-62 Tennesee Roseだね。

 

― 初めてのグレッチはこのTennessee Roseなんですね。なぜTennessee Roseを?

チバ ボディが分厚くないものがいいなと思っていたのと、ヴィンテージよりもライヴでちゃんと使えるギターが欲しかったので。ブリッジは固定しているね。

 

― 裏を見たらネックが折れた形跡が…。

チバ うん。それはね、同じスタジオに入っていた友達のバンドがリハをやってる時に俺が酔っぱらって乱入して、ドラムに突っ込んでいっちゃったら折れちゃったの。

 

― あははは! じゃあ完全にチバさんが悪いんですね!

チバ 俺が悪いの。慌てて楽器屋の友達に連絡して、“中古で同じギターねぇか?”って(笑)。それで乗り切りました。

 

― もう1本同じギターがあるんですか?

チバ あるある。どっかにある。

 

― 今でもこのTennessee Roseは使っていますか?

チバ 今は使っていないね。もうずっと自分のシグネイチャーモデル(G6119T-62TB-YC Yusuke Chiba Tennessee Black with Bigsby)を使ってる。

 

― サウンド的に、1本目のTennessee Roseはいかがでしたか?

チバ 当時、ミッシェルの時はあまりレコーディングでも弾いていないし、ライヴの時も自分が聴こえれば良かったので。リズムを取るための道具感覚で使っていたかな。

 

― 今日持ってきていただいたギターの中で、時系列で言うと次は…。

チバ White Falconかな。これもアベと話した覚えがある。大概あいつは“いいじゃん”って言うんだよ。じゃあ買おうかなって。

 

― White Falconはいかがでしたか?

チバ ヘッドが重いんだよね。しかもダブルカッタウェイだから、ヘッドが下がってきちゃう。でも、ボディは体に馴染んだよ。

 

― White Falconの用途は?

チバ ライヴだね。

 

― 他のギターとの使い分けは?

チバ その日の気分だね。

 

― このWhite Falconにまつわるエピソードはありますか?

チバ これもね、フジ(FUJI ROCK FESTIVAL)か何かでぶん投げたんだよね。

 

― 今、このWhite Falconを使うことはありますか?

チバ ないねぇ。そう言えばこれ、ちょっとピックガードの形が変わっていて面白いよね。

 

― ギターを選ぶ時は見た目も気にしますか?

チバ 大概は見た目重視だからね。音はその次だよね。音ってそういうものに付いてくるじゃん。

 

Yusuke Chiba B

やっぱり、グレッチは構えていてしっくりくるんだよね

 

― 次のギターは何でしょうか?

チバ オレンジのエディ・コクランモデル(6120W57 Eddie Cochran Signature Nashville)。俺、ずっと勘違いしててさ。ジーン・ヴィンセントモデルだと思っていたのよ。

 

― なぜまたそんな勘違いを?

チバ わからない。勝手に思い込んでいて。そうそう!こっちのギターはスティーヴン・スティルスモデル(6136-1958 Stephen Stills Signature White Falcon)だね。改造して何かが消えちゃったんだよな。サインみたいなものが。

 

― インレイを取ってしまったと、何かで読んだことがあります!

チバ そうだよ! 指板のところが消えているね(笑)。俺、けっこう改造しちゃうんだよ。まぁ、使いやすいようにしているだけなんだけどね。

 

― このスティーヴン・スティルスモデルは今でも弾いていますか?

チバ The Birthdayの前作『VIVIAN KILLERS』のツアーで使ったね。1曲だけ持ち替えて。あと、最近リリースしたEP『CORE 4』の「ブラックバードカタルシス」という曲のミュージックビデオでも弾いているよ。

 

― 弾き心地はどうですか?

チバ ボディの厚みがあってすごくクラシックな感じだよね。ピックアップも違うし。

 

― 次は6119 Tennesseanですね。

チバ これはね、楽器屋で見て買ったんだよな。確か67年製だから、人気の高い年代よりもちょっと安いのよ。

 

― あまり改造していない感じがします。

チバ うん。ブリッジはイジっているけどね。軽くて素晴らしいよ。当時もメインでは使っていなかった。いつ使ったのかな。ROSSO? いや、THE GOLDEN WET FINGERSで使ったね。買ったのは約20年前。

 

― もうひとつの7555 Clipperは?

チバ これは72年製で、渋谷の楽器屋で探したんだっけ。The Birthdayのレコーディングで使っていた覚えがある。たぶん、ミニアルバム『MOTEL RADIO SiXTY SiX』の時だね。

 

― ギターを選ぶ時のポイントは、まずは見た目ですか?

チバ 見た目も重要だし、もちろん音もちゃんと聴いてはいるけどね。でも、俺が弾くと大概似たような音になるんだわ(笑)。不思議なもので。まぁ、どうしても好きな音に近づけちゃうから。

 

― チバさんが好きなギターの音は?

チバ エフェクターを踏んでいない時、アンプ直結でバリーン!と鳴るギターが好きだね。

 

― そもそも、ギターを始めようと思ったきっかけは?

チバ 14〜15歳の時に友達がエレキギターを持っていて、そいつの家にアンプもエフェクターもあったのよ。エフェクターなんて知らないから、ジャーン!って弾いてすげぇな!って。何とかお金を貯めてギターを買って、そいつと一緒にバンドをやろうという話になって。でも、最初はギターを持っていなかったからヴォーカルだったんだよ。

 

― どんな曲を演奏していたんですか?

チバ ザ・ジャムとザ・モッズだね。その頃はザ・ルースターズもやっていたかな。

 

― 最初にギターを買ったのは中学生の頃?

チバ そのへんだね。中学〜高校生になる頃。そいつにコードがあるということを教えてもらって。

 

― 練習はタブ譜を買って?

チバ いやいや、タブ譜なんて当時はなかったな。コードをいろいろと覚え始めてからは、何となく勘で弾けたね。

 

― 初ライヴはいつだったんですか?

チバ 初ライヴはミッシェルなんだよね。だから大学に入ってから。

 

― それにしても、グレッチと出会ってからはずっとグレッチですよね。

チバ そうだね。たまに別のギターに行っちゃう時もあるけどね。

 

― グレッチを使い続ける理由は何ですか?

チバ やっぱり、グレッチは構えていてしっくりくるんだよね。

 

 

後編に続く

 


チバユウスケ

68年、神奈川県出身。91年、ロックバンドTHEE MICHELLE GUN ELEPHANTを結成。96年、シングル「世界の終わり」でメジャーデビュー。2003年のバンド解散後、ROSSO、THE MIDWEST VIKINGS、Midnight Bankrobbers、Star Casino、The Birthday、THE GOLDEN WET FINGERSといったバンドやユニット、ソロプロジェクトSNAKE ON THE BEACHなどで活動。現在、全国ツアー〈The Birthday『SUNBURST TOUR 2021』〉を開催中。

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