矢作萌夏 SPECIAL INTERVIEW -後編-

2月 6, 2024


 

どこへ行くにも一緒だし、ギターは心強いバディ

 

2018年にドラフト3期生としてAKB48に加入。卒業後、2023年7月からシンガーソングライターとして活躍している矢作萌夏がインタビューに登場。ソロ活動を行うにあたり、彼女が相棒として選んだアコースティックギターがグレッチのG5022CWFE Rancher Falcon Whiteだ。インタビュー後編では2023年を振り返りつつ、2024年の展望について語ってくれた。

 

― さて、2023年を振り返ってどうでしたか?

矢作萌夏(以下:矢作) すごく新鮮で駆け抜けた年だったと思います。活動を再開したのが7月で、再開しようと決めたのも3月なので…。

 

― そんな直近に決まって7月にライヴを行ったんですね。

矢作 それまでは新潟の旅館に住み込みでアルバイトをしていました(笑)。

 

― え! それは公にしている情報なんですか?

矢作 何となくしています(笑)。そんな時にレコード会社の方が新潟まで会いに来てくれてデビューの話が決まったので、本当に駆け抜けた一年でしたね。

 

― どういう想いで旅館を手伝っていたんですか?

矢作 地元にいるとみんな私のことを知っているし、仕事の人も矢作萌夏として見るけど、田舎に行けば誰も私を知らない(笑)。一人の人間として見てくれるのが、その時の私の心情としてはすごく助けられました。どこでもやっていけるんだ、自分の好きなことをやっていいんだと背中を押されたというか。

 

― 音楽業界から離れる気持ちだったんですか?

矢作 そうですね。ただ休業中の約3年間で作った曲をみんなに届けたかったし、ファンの方にも会いたかったし…。まだ諦めきれていないところがあって、その感情がジワジワと募っていった3年間でした。

 

― アイドルから一転してそういう生活を選んだのは、本当にすごいことだと思います。

矢作 なかなか勇気は要りましたけどね。住み込みだったので家にも帰っていなかったし、3畳ぐらいの和室に住んで(笑)。目立つといけないので皿洗いなど裏方で働いていました。

 

― 曲作りはアイドルを引退してから始めたのですか?

矢作 『AKB48グループ歌唱力No.1決定戦』という番組があって、そこで優勝してから卒業しようと思っていたんですけど、卒業するタイミングで音楽関係の方々から“辞めないほうがいいよ”って。井上ヨシマサ先生とゴスペラーズの黒沢薫さんのお二人が、審査員として来られていた時に声をかけていただいて。作曲はヨシマサ先生に教わってから始めました。

 

― 作曲は教わってからいきなりできたんですか?

矢作 昔から音楽は大好きで触れる機会も多かったので、手法を覚えたらどんどん作れるようになりました。もちろん学ぶことも多かったですけど、楽しかったです。

 

― 理想のシンガーソングライターはいますか?

矢作 誰だろう。でも、小さい頃から聴いていたのはマイケル・ジャクソンです。幼少期は洋楽を聴いて育って、大人になってから邦楽もK-POPもジャンルを問わず聴いています。日本のロックだとクリープハイプさんが好きですね。あと、この間〈Talking Rock! FES.2023〉を観に行ったのですが、SHISHAMOさんがエレキを弾いている姿にキュンとして、エレキを始めたいと思いました。

 

― バンドをやりたい気持ちは?

矢作 やってみたいけど、みんなに迷惑をかけないぐらい成長してからやりたいです。全然違う話ですが、THE ALFEEの坂崎さんと共演した時にこのギターを見て、”わ!ちょっと僕にも触らせて!触ったことない!”って(笑)。すごく楽しそうに弾かれていて、ホワイトファルコンにして良かったなって思ったんです。今回も坂崎さんに“何色がいいか選んでください”って連絡したら“絶対に白!”って返ってきました(笑)。だから坂崎さんはこのG5420T-140の守護神ですね!

 

Moeka Yahagi B2

 

― さて、2024年はどういうことに挑戦したいですか?

矢作 2023年10月25日に出したアルバム『spilt milk』を引っ提げてずっとインストアライヴをしていたのですが、今年はツアーも視野に入れて活動していけたらいいなと思っています。

 

― 全国ツアー?

矢作 はい! やってみたいですね。大阪も一度行きましたけど、まだ会えていない人たちに会いに行けたらいいなと思っています。

 

― アイドルという表現手段とシンガーソングライターでは根本的に何が違いますか?

矢作 全然違うと思います。アイドルの時は与えられたものをどれだけちゃんと落とし込んで表現するかだったけど、シンガーソングライターとなると自分で生み出さなきゃいけない。そこは全然違ったので一歩大人になったと思います。

 

― 0から1を作るのが楽しい?

矢作 めっちゃ楽しいです! ドキドキしますね。もちろんプレッシャーもありますけど、そんなものには負けずに突っ走っていくしかないと思っています。

 

― 素敵です。矢作さんにとってギターはどんな存在ですか?

矢作 シンガーソングライターとして活動を始めたのでニコイチって感じですね。この一年ずっとニコイチでやってきたのでメンバーのような感じかも(笑)。どこへ行くにも一緒だし、人じゃないけれど人みたいな、すごく心強いバディだと思います。

 

― 最後に、ビギナーへメッセージをお願いします。

矢作 Fを諦めないで!と言いたいですね。あとは探せば絶対に自分らしいギターが見つかると思うので、最高のギターを手にして、いろいろなところを廻って、最高の歌を届けてくれる人が現れたら嬉しいなと思います。私のように!

 

― ギターに興味はあるけど一歩が踏み出せない人はどうしたらいいですか?

矢作 私もそうでしたけど…とりあえず貯金して買っちゃおう。あとから考えよう! バイトしよう! 買おう! 私も新潟にいた時のバイト代で買っているので一緒です!

 

― 最初の一歩をグレッチとともに踏み出してくれたら嬉しいですよね。

矢作 私も最初は白いギターが欲しいだけだったし、次はピンクのギターなど何本か持っておいてローテーションすればいいと思っていたんです。だけど、周りの作曲家の方も“いいギターから始めたほうがいいよ”とおっしゃってくださって、一本目をグレッチに決めたんです。ぜひ悩める人たちも、私のように最初の一本をグレッチに決めてほしいなと思います(笑)。ファルコンにしよう! でも、私より先に有名にならないで(笑)。

 

― (笑)。矢作さんは今後フェスにも出るかもしれないので、いろいろな場面でお会いできるのを楽しみにしています。

矢作 はい! グレッチを引っ提げて頑張ります!

 


 

矢作萌夏

2018年1月21日にドラフト3期生としてAKB48に加入。2020年2月4日卒業。活動2年にも関わらず、ソロコンサート、シングル表題曲センター、地上波TV番組レギュラー、第2回AKBグループ歌唱力No.1決定戦優勝、写真集発売など数々の偉業を成し遂げる。約3年間の休業期間を経て、2023年7月5日に配信シングル『Don’t stop the music』をリリース。同日に〈矢作萌夏 1st Live “Rebirth”〉を行いソロ活動を開始。10月25日にメジャー1st EP『spilt milk』をリリース。

https://yahagimoeka.com/