ANO SPECIAL INTERVIEW -後編-

9月 7, 2023


 

ギターを持っていると強くなれる気がする

 

2020年に“ano”名義でソロ活動を開始し、2021年にはバンド“I’s”を結成。アーティストとしてだけでなく、タレント、女優、モデルなど幅広いフィールドで奔放に自分を表現し続ける“あの”が登場。インタビュー後編では、8月30日にEP『永遠衝動』のリリースを控えたバンドI’sでの活動について、ギタリストとしての目標、そしてビギナーへメッセージをもらった。

 

大人に決められたものじゃなくて、自主的にバンドをやりたい想いがありました

 

― バンドI’sとして8月30日にEP『永遠衝動』をリリースします。ソロ活動以外にバンドをやろうと思った理由を教えてください。

あの 前々から友達や大学で知り合った人とバンドを組むのにすごく憧れていたんですけど、なんせ友達がいないからずっとできなくて。僕はアイドルをやっていたので、それこそ大人に頼めば集めてくださると思うんですけど、それではやりたくない気持ちがどこかにあって。やっぱり自分でちゃんとメンバーを選んで進めたかったんです。それこそゼロからメンバー同士で話したり、セッションしたりして曲を作りたくて。で、バンドをやるにはどうしようって思った時に、知り合いからメンバーを集めて、ちゃんと会ってから結成しました。ゼロから曲を作りたいのと、大人に決められたものじゃなくて、自主的にやりたい想いがあったのでバンドを始めました。

 

― バンド内ではみんなイーブンな関係ですか?

あの そうですね。

 

― 言いたいことは全部言う感じ?

あの はい。本当に大人が携わっていない感じ。みんな大人ですけど、指示する人がいないというか。インディーズなので自由です。

 

― それは楽しいけど大変ですよね。

あの めちゃくちゃ大変なのを痛感しています。自由だったり楽しさはあるけれど大変。4人でまとまらないし、仕切る人もいないし。

 

― 制作はどのように進めましたか?

あの どんどんリリースしていきたい気持ちはあるけれど、ソロもやっているからリリースのタイミングが難しくて。anoでも「ちゅ、多様性。」を出していたので、I’sのリリースのタイミングがわからなくて。でも、やっぱり聴いてもらいたいねって。それからすぐに制作に入った感じですね。

 

― 曲は誰が書くんですか?

あの 詞はすべて僕が書いて、曲はギターの中山さん(中山卓哉)が作ったり一緒に作ったりしています。

 

― ヴォーカルもとてもエモーショナルでいいですよね。歌だけでも充分気持ちは出せますが、やっぱりギターがあると違いますか?

あの 感覚が違いますね。声もそうだけど、ギターを持っていると強くなれる気がする。どんな人でも強くなれるというか、そういう武器っぽさがありますよね。

 

Ano Chang Sub 2

 

― バンドでのライヴはどうですか? ソロとはまた違いますよね?

あの 違います。ソロのほうも最近ツアーが終わったんですけど、バンドのツアーとはまた違うなって。バンドは4人だから人と人の感情がぶつかり合う瞬間もあって、上手くいかない時も全然あります。ライヴで100%を出したいけど何かが気になったり、納得いかないと思うのはバンドならではだと思います。でも逆にこの4人だから出せるものがあるなと。ソロは自分次第だったりするので自分との戦いです。バンドはまたそことは違う戦いがあるなって。

 

― バンドとしての目標や野望は?

あの それがあまりなくて。4人ともめちゃ売れたいとか、大人気バンドになりたいっていう気持ちもない。売れるためには何かを捨てなきゃいけない時があると思うけど、I'sではそういうのはしたくなくて。がむしゃらにやりたいことだけをやる感じです。

 

― 同世代の人って、感覚的にバンド音楽に興味がない人が増えていませんか?

あの どうだろう…。一定数売れているバンドさんとかはどんな世代でも好きだろうけど、確かに昔よりもインディーズがフィーチャーされたり、インディーズファンはあまり見かけない気はします。やっぱりボカロとかそっち系が今は支持されていると思うし、それこそ人間臭かったり激しい音楽は最近の子は好きじゃなさそうだなって思っている時にこのバンドを始めました(笑)。

 

― アンチテーゼ的に?

あの 世間に合わせない(笑)。でも、そういう時代じゃない時にこういうことを表現していくのは、それこそアンチテーゼな感じもあるし、僕のファンはけっこう若い子も多くていろいろなジャンルからの入りが多いので、逆にパンクだったり人間臭い音楽の良さが伝わるかなって。

 

― ガツンと見せつけてやってください。バンドでの活動が続きますが、今後、ギターに関して目標などはありますか?

あの このギター(G5622T-140 ELECTROMATIC)に見合う人間になりたいと思いました。

 

― グレッチは140周年ですから。

あの それを聞いて“うわ!”と思って。グレッチに見合う人間になることを目標にしていきたいです。

 

― 曲作りは基本的にギターですか?

あの はい。

 

― 新しいギターを持つと、また違う曲が生まれるんじゃないですか?

あの 確かに。気持ちが変わるかもしれないですね。

 

― 音色も違うしネックの感じも違うから、いつもと違う指の動きが出てくる可能性もあるので。G5622T-140 ELECTROMATICでも曲を書いていただけたら。

あの これでも曲を書きたいと思います。

 

― 最後に、ビギナーへアドバイスやメッセージをお願いします。

あの 僕は最初、自分でやりたいと思ってギターを持ったわけじゃないんですけど、それでも触っているうちにどんどん好きになっていくし愛着も湧いてくる。どんなきっかけであれ、最終的には自分の武器になっていくので、臆することなくたくさん触ってほしいなと思います。

 


 

あの

2020年9月より「ano」名義でのソロ音楽活動を開始。2022年4月、TOY’S FACTORYよりメジャーデビュー。10月オンエアのTVアニメ『チェンソーマン』エンディング・テーマに「ちゅ、多様性。」が抜擢。 自身を中心に組んだバンド「I’s」も活動中。音楽活動だけに留まらずタレント、女優、モデルとマルチに活動。8月30日にI’sの全4曲入りのCD『永遠衝動』をリリース。I’sの定期公演〈#僕のアイズ - BOKU NO NATSU WA DO-NANDA -〉を8月31日(木)下北沢SHELTERにて開催。CD『永遠衝動』のリリースツアー〈I's pre.「The world is xxxx except for loving you」〉を9月10日(日)大阪ANIMA、9月14日(木)渋谷WWW Xにて開催。

https://ano-official.com