山本彩 SPECIAL INTERVIEW -前編-

11月 24, 2023


 

White Falconの気に入った点はすべての美的センス

 

NMB48のキャプテンとして活動後、2018年にNMB48を卒業。現在はソロ活動を主軸に、シンガーソングライターとしても才能を開花させている山本彩がインタビューに登場。インタビュー前編では、ギターを始めたきっかけや、グレッチのWhite Falconとの出会いや愛用する理由について聞いた。

 

― まずはギターを始めたきっかけから教えてください。

山本彩(以下:山本) もともと自分の音楽のルーツであるアヴリル・ラヴィーンを聴いていたのもあるのですが、同時期に兄もバンドを始めたいということで、楽器屋さんに一緒について行ってフェンダーのStratocasterを買ってもらったのがきっかけです。

 

― いきなりエレキギターを購入するとは、なかなか攻めていますね!

山本 ただついて行っただけですが、その時に通っていた音楽学校の先生にもついて来てもらいました。お母さんも先生も“せっかくなら買ったら?”と言ってくれて。

 

― めちゃくちゃいい環境ですね。普通はごねないと買ってもらえないですから。

山本 そうですよね。買ってからしばらくは持て余していたんです。最初はギターへの熱も知識もなかったですし、“どうしよう?”という期間がありました。

 

― どんな練習をしていましたか?

山本 アンプセットを買ってもらったので、好きなバンドのバンドスコアや教則本を読んだりしながら、見よう見まねで演奏して音を出していました。

 

― こだわりの練習方法があれば教えてください。

山本 当時音楽教室に通い出したのですが、地味な運指練習が上達への近道だと教わってから、ひたすら毎日フレットを移動させながら運指練習を行っていました。

 

― Fコードのようなバレーコードでつまずきましたか?

山本 はい。なので、ひたすらコードチェンジの練習をしていました。

 

― 指先が痛くなってもめげずに?

山本 気にならなかったですね。ギターの先生にも、トイレとお風呂以外はギターを触れって言われてて(笑)。

 

― 実際に身離さずでしたか?

山本 そこまでではないですが(笑)。“それぐらいじゃないと上達できないよ”と言われていました。

 

― 弾けるようになった感覚はいつぐらいからありましたか?

山本 ギターを始めたのが小学5年生だったのですが、小6にはちょっとしたフレーズが弾けるようになりました。“弾けるなぁ”という感覚は中学生ぐらいですね。

 

― その年齢でギターを弾けたら、かなり鼻高々だったのでは?

山本 音楽学校で、普通の学校とは違う世界でやっていたので、普段の学校に戻ると普通の自分だったんです。なので、あまりそういう気持ちではなかったですね。

 

― 普段の学校にギターを持って行って弾いたりは?

山本 まったくなかったです。でも、中学生になると対バンさせてもらって、すごくカッコいいバンドに出会えた時は、そのバンドのCDを買って、学校のラジカセで流しながら歩いたりしましたね(笑)。バンドが好き、バンドはカッコいいという意識は強かったので、そういう布教はしていました(笑)。

 

Sakayayamamoto 2

 

― 愛用のWhite Falconを持ってきていただきましたが、グレッチを知ったきっかけを教えてください。

山本 ハイスタ(Hi-STANDARD)の横山健さんがきっかけですね。中学生の時に知りました。

 

― グレッチにどんなイメージを持っていましたか?

山本 どちらかと言うと荒々しいイメージでした。White Falconはまた別ですけど。

 

― たしかにボディも大きいですし、装飾もゴージャスでシンプルとは真逆のギターではありますよね。

山本 はい。それをがっつりストラップを下げて弾くのがカッコいいイメージがありました。

 

― 購入に至ったきっかけは何ですか?

山本 グレッチやWhite Falconを知ってから、憧れがちょっとずつ芽生えて、いつかは欲しいな、弾いてみたいなという、本当に子供のような些細な野望から始まりました。仕事のロケだったのですが、楽器屋さんで試奏させていただいて、やっぱり欲しいなって、そのまま勢いで買っちゃいました。それが2017年、ソロデビューして間もない頃で、まだグループに在籍している時です。

 

― ロケ先で衝動で買うってすごいですね。

山本 逆にそれぐらいのことがないと買わなかったと思うので。もともとWhite Falconが欲しかったのですが、White Penguinも試奏していたんです。しっくり具合で言うと、むしろペンギンのほうがあったのですが、欲しいのはそうじゃないなって。謎の反発というかロック魂で、本能に従った感じです。

 

― カッコいいです! White Falconの特に気に入った点を挙げるとすると?

山本 全部ですね。音もそうなのですが、すべての美的センス。いろいろと試奏したり背負った姿を写真に撮ってもらって何枚か見比べた結果、やっぱりこれだってなりましたね。

 

― White Falconは“世界一美しいギター”と称されているぐらいですからね。ただ決して安くはないのですが…一括払いで?

山本 その時は一括払いだったのですがビビっちゃって、すぐにお母さんに電話して“買っちゃった”って(笑)。でも“いいやん”と言ってくれました。

 

― けっこうイケイケなおかんですね(笑)?

山本 おかんが一番イケイケでしたね(笑)。

 

― 最初のギターの時もそうですし。

山本 はい。私のギター購入はだいぶ母のおかげです。

 

― 実際に使ってみての感想を教えてください。

山本 美しい見た目通りクリーンでキレイな音も出るけど、野太くてゴツゴツした音も出せるし、思っていた以上に汎用性があります。その上、ステージ映えは圧倒的なので、それはいい意味でギャップがあると思います。

 

― ボディが大きくて大変だと思うのですが、フィジカル的な面ではどうですか?

山本 確かに、下手するとアコギよりも体感的には大きいくらいなんです。でも“それでこそ”という感覚なので、ネガティヴな印象はまったくないです。

 

― White Falconはライヴでどのような時に使いますか?

山本 セットリストの中間で“味変”をする時とか、ロックでハードな中にもキレイさを出したい時に使いますね。

 

 


 

山本彩

2010年に結成されたNMB48に1期生として加入。同グループのキャプテンを務め、AKB48の選抜メンバーとしても活躍。2016年にアルバム『Rainbow』でソロデビューを果たし、2017年には2ndソロアルバム『identity』を発表。2018年11月にNMB48を卒業。2019年の元日にソロ活動を本格始動することを発表し、同年2月からライヴハウスツアー〈I'm ready〉を開催。さらに4月にはUNIVERSAL SIGMAより移籍第1弾シングル『イチリンソウ』をリリース。2019年12月には3rdアルバム『α』を発表。2022年、約1年ぶりとなる単独ライヴ〈SAYAKA YAMAMOTO LIVE 2022 “now”〉を開催。2023年5月17日には約2年半ぶりとなるニューアルバム『&』をリリース。

https://yamamotosayaka.jp