寺中友将(KEYTALK)SPECIAL INTERVIEW -前編-

12月 13, 2022


 

グレッチを握ったからこそできる曲が、今後は生まれてくるんじゃないかな

 

2023年にメジャーデビュー10周年を迎え、3月1日には二度目となる日本武道館ワンマンライヴを開催するKEYTALKから、ヴォーカル&ギターを務める寺中友将がスペシャルインタビューに登場。インタビュー前編ではギターとの出会い、そして初めてのグレッチギターG5420T Electromatic® Classic Hollow Body Single-Cut with Bigsby®を触れてみてのインプレッションを聞いた。

 

少しずつ弾けるようになるのが楽しかった。自分の武器ができている感覚で

 

― まずは、ギターを始めたきっかけから教えてください。

寺中友将(以下:寺中) 小学校5年生の時に、同級生にゆずを勧められて聴くようになって、すごくカッコいいなと思ったんです。その時に別の同級生の幼馴染みが転校することになって、クラスの送る会で一人ひとつずつ出し物をすることになり、ゆずを教えてくれた友達に「友達の唄」を一緒に練習しないか?と言われたのがきっかけです。もともと母親がギターを弾けるので、家にギターはあったんです。送る会までに1週間しかなくて、バレーコードは絶対に無理なので、母親に教えてもらいながら簡単なコードに変換して練習しました。4つぐらいのコードで何とか弾けるようになりました。

 

― そのあとにバンドやエレキギターにシフトしたきっかけは何だったんですか?

寺中 中学生の頃は吹奏楽部だったんですけど、吹奏楽部の男子メンバーで楽器を振り分けて、文化祭とか地元のお祭りなどに出演したりイベントごとに駆り出されて演奏していました。それが初めてのバンドです。その時もゆずの曲をやったりしていました。ライヴハウスで活動するようになったのはKEYTALKが初めてです。KEYTALKに入るまではあまりバンドサウンドを聴いてこなかったので、KEYTALKに入ってから自分で調べたりメンバーに勧めてもらったりしましたね。

 

― わりとおとなしい感じの青春時代?

寺中 そうですね。あまりエレキとか歪ませていなかったです(笑)。まだ歪みの存在を知らなかった(笑)。

 

― オリジナルのギター練習方法はありますか?

寺中 ギターも歌もなかなか上手くいかなかった中学校時代にずっとやっていた練習があります。いつも晩御飯を食べた後にやっていたんですけど、“今日はどのアルバムにしようかな?”って考えながら晩御飯を食べて、部屋に戻ったらそのアルバムを一曲目から全部爆音で流して、ギターを弾きながら歌うということを毎晩やっていましたね。けっこうでかい音でやっていたんですけど、よく親が許してくれたなって思っています。

 

― どのあたりからギターは楽しいと感じるようになりましたか?

寺中 たぶん、根っこには目立ちたがりの部分があると思います。中1の時は、ギターを弾いている人が周りに全然いなかったので、文化祭で弾けたら絶対に目立つだろうなって。少しずつ弾けるようになっていくのが楽しかったですね。自分の武器ができている感覚で。

 

― ギターを弾けるようになってモテましたか(笑)?

寺中 どうなんでしょうね。少しモテたんだろうなっていうのはあるかもしれないです。正直、基本は“モテたい”があると思います。うちのギター(小野武正)は“そうじゃない”って言い張るので、すごく胡散臭いですね(笑)。

 

Tomomasa Teranala Special Interview A2

 

求めていた1本に出会えた感じです

 

― グレッチの話に移りたいと思います。グレッチを意識したのはいつですか?

寺中 ギターの知識があまりない時から、まずは(ホロウボディの)グレッチってエレキなのかどうなのかっていう疑問がありました。あと、歌詞のメッセージ性が強いアーティストやシンガーソングライターが持っている印象があります。

 

― 世代的に言うとやっぱり横山健さん(Hi-STANDARD)ですか?

寺中 まさにKEYTALKに入って、いろいろと調べる中で健さんを知りました。あと、斉藤和義さんが持っていた記憶がありますね。

 

― どんなイメージでしたか?

寺中 実際に音を聴いてみたり、今回のG5420T Electromatic Classic Hollow Body Single-Cut with Bigsby(以下:G5420T)を鳴らしてみて、もともとアコギの音が好きというのもあって、エレキとアコギのいいとこ取りのような音がする印象です。

 

― G5420Tも生の鳴りがいいですか?

寺中 そうですね。実際に持った時に振動を感じるじゃないですか。その感じが普通のエレキとは全然違いますよね。フィット具合はアコギに近い感じがあります。ライヴでは時々アコギも弾くので、普段のエレキよりも安心感がありますね。

 

― 弾きやすさはどうですか?

寺中 僕はほとんどコード弾きなので、コードを弾いて歌うことに関してネックは太いほうが良いですね。なので弾きやすいです。求めていた1本に出会えた感じです。

 

― 求めていた音も出ていますか?

寺中 アンプから出てくる音を聴いた時に、一度箱で鳴った音が出ているなって。聴いた瞬間に“これこれ!”っていう感じなんです。箱で鳴っている感じが好きなんですよね。空気感が混ざったような温かさがとても好きです。もともとアコギから始まっているので、歌を支えてくれそうな感じでとても気に入っています。

 

― アコギと大きく違う点としてBigsbyが付いていますが。

寺中 他のギターでもまだ使ったことないですね(笑)。チャンスがあればライヴで使ってみたいです。存在感が出そうですよね。

 

― どんな曲やシーンで使ってみたいですか?

寺中 ワンマンライヴではミドルテンポ、例えばバラード調の曲もやったりするんですけど、特にそういう時に持ちたいですね。あと、特に歌詞を聴いてほしい楽曲の時に持ち替えたいと思います。

 

― 曲作りのほうではどうですか?

寺中 そう、まさに曲作りで活きそうだなと、最初に弾いた時に思いました。アコギでも曲は作れるんですけど、選択肢がひとつ増えると思います。グレッチを握ったからこそできる曲が、今後は生まれてくるんじゃないかなと思います。

 


KEYTALK

東京・下北沢発4人組ロックバンド。

2009年7月に小野武正、首藤義勝、寺中友将、八木優樹で結成。

2015年には初の武道館単独公演、2017年には横浜アリーナ、さらに2018年には幕張メッセ(360°センターステージ)でのワンマンライブを敢行。

コロナ禍にも活動を止める事なく、2021年8月にはアルバム『ACTION!』をリリース。そして2022年、バンド初期にリリースしていたコンセプトEP「KTEP」シリーズの第4弾「KTEP4」をリリース。2022年6月からはバンド史上最大規模となる全国50本ワンマンツーを敢行。2023年3月には、メジャーデビュー10周年を冠した2度目 日本武道館ワンマンライブを開催する。

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