寺中友将（KEYTALK）SPECIAL INTERVIEW -後編-
12月 27, 2022
“ギター1本で人の心に届く楽曲を完成させる”が大きなテーマ
2023年にメジャーデビュー10周年を迎え、3月1日には二度目となる日本武道館ワンマンライヴを開催するKEYTALKから、ヴォーカル＆ギターを務める寺中友将がスペシャルインタビューに登場。インタビュー後編では、2022年の活動を振り返るとともに武道館公演への意気込み、バンドとしての夢、そして楽器を始めたばかりのビギナーたちへアドバイスをもらった。
グレッチは力強い右手にも付いて来てくれそうな気がします
― 寺中さんのギターを選ぶ基準は何ですか？
寺中友将（以下：寺中） 一番大事なのはパッと見た時の印象と、音を鳴らす前の持った感触。見た目と持った時の感触や重さを含めて選びますね。
― 見た目は大事ですよね。
寺中 それこそ見た目が一番大事なんじゃないですかね。
― そこから先は弾き込まないとわからないですもんね。
寺中 わからないですね。形による音の違いなんて最初はわからないと思うので、これを持っていればカッコいい！と思えることが一番重要なのかなと思います。
― あとはお互いが寄っていくじゃないですか。ギターも自分に寄ってきてくれるし、自分もギターに寄っていくし。
寺中 そうだと思います。あと、音作りでガラッと変わるものもありますし弾き方でも変わる。特にグレッチは、右手次第でかなり音の印象が変わると思いますね。強く弾くのもありだと思います。アコギと同じ感覚でエレキを弾くと、けっこうチューニングが悪いように聴こえちゃうので、エレキはエレキ用の力加減で弾くんですけど、グレッチは力強い右手にも付いて来てくれそうな気がしますね。
― タッチやアタックで工夫できそうだと。
寺中 はい。だいぶいけますね。G5420T Electromatic® Classic Hollow Body Single-Cut with Bigsby®はこれからいろいろと試してみたい1本です。
― ぜひ！ さて、もう2022年も終わりですがKEYTALKにとってどんな1年でしたか？
寺中 50本のツアーを廻りました。コロナで県をまたぎたくない方も多いだろうから、僕らからみんなの街に遊びに行こうということで、バンド史上最多数のツアーを廻りました。かなり満足感がありますね。満足のいく形で再出発を切れた1年だったと思います。
― 来年はどんな活動を？
寺中 今は3月1日の日本武道館公演に向かって突っ走っています。7年ぶりの武道館ワンマンです。今はそこに100％注げられるように、年明けからファンクラブ会員限定でツアーをギリギリまで廻ります。大きな会場でやらせてもらう時、その前後にライヴが少なくなることが今まで多かったのですが、今回はファンクラブツアーをたくさん廻って、ライヴ現場の感覚をそのまま武道館に持っていけたらなと思っています。ライヴが1〜2週間も空いちゃうだけで、若干感覚が変わっちゃうので。
― ライヴの身体のまま武道館へ突入すると。
寺中 そうですね。２回目なので緊張しすぎずに臨みたいです。１回目は、インディーズの頃から武道館を一番の目標にしてきたんですけど、その夢が叶ってお客さんからお祝いをしてもらったような１日だったので。今回は僕らが引っ張っていけるような１日にしたいなと思います。グレッチも一緒に！
― ありがとうございます。バンドとして、ミュージシャンとしての夢はどこにありますか？
寺中 2023年でメジャーデビュー10周年なのですが、ここまでやってきて、音楽って本当に続けることが大変だと思っています。やり続けている人が一番強いと感じていますし、だからこそただただ音楽をやっていたいという気持ちが一番です。具体的に言えば、初めてゆずを見た横浜スタジアムのステージに立ちたいというのが僕の中ではあります。
届けたものが自分に返ってくる瞬間がすごくある
― KEYTALKを見て楽器を始めた、バンドを始めた人たちもいると思うんです。
寺中 はい。お手紙で、ギターを始めましたって話はちょこちょこ聞きます。
― ビギナーがコピーするのにオススメのKEYTALKの曲は？
寺中 テンポがあまり速くないほうがいいと思うので、YouTubeでも聴ける楽曲だと「愛文」や「照れ隠し」が弾きやすいと思います。でも、KEYTALKはけっこうむずいっす（笑）。4〜5つのコードで弾ければいいんですけど、そういう曲ってめちゃくちゃ速かったりするので。
― 速い曲をゆっくり弾くのもありですよね？
寺中 それもありますね！ 速い曲をゆっくり弾いたり、ゆっくりの曲を速く弾いたりすると“面白いじゃん！”っていう曲がたくさんあると思うので、それもいい発見になるかもしれないですね。僕は弾き語りもやるんですけど、確かにKEYTALKの曲を弾く時はゆっくりやっていますね。速い曲をゆっくりと弾くと、それはそれで別の魅力が見えてくるかもしれないです。
― 個人的な音楽的指向について。今はどのような音楽に興味がありますか？
寺中 曲作りの時は、知らず知らずのレベルで最近はまっているものが反映されているのかなと思います。でも根本には、“ギター1本で人の心に届く楽曲を完成させる”が大きなテーマとしてあるんです。まずはギター1本の弾き語りで曲を作って、そのあとアレンジの時にいろいろなことを試します。
― 最初からアレンジで誤魔化してもダメだと。
寺中 そうやって上手くできる方もいると思うんですけど、僕はあまり変えずにいきたいなと。そういう意味でもグレッチは大切なギターになりそうです。
― 最後に、楽器を始めたばかりのビギナーへメッセージを。
寺中 最初は好きなアーティストの曲をコピーするところから入ると思うんですけど、それを披露する場所ってすごく大切だと思います。もちろん、自分の部屋で一人でギターを弾くのも楽しいです。でも、せっかく始めたんだったら、誰かに見てもらう機会を作るともっと向上心が出るし、楽しさも大きくなっていくのでいろいろな人に見られてほしいなと思います。
― 考えてみたら、寺中さんも最初から人前で演奏していたっていうことですよね？
寺中 そうですね。それがすごく良かったのかな。当時はキレイな演奏ではなかったと思うんですけど、みんなから“良かったよ”と言ってもらえて。前編でも話した“送る会”で演奏を披露した時も、転校する幼馴染みが当時もすごく喜んでくれたと思うんですけど、今年頭に地元の熊本に帰省した時にその友達とご飯に行ったんですよ。そこで当時の話になったのですが、僕が思っていた以上に響いていたようです。そういうのを聞くと、披露する場所はすごく大切なんだなって思います。届けたものが自分に返ってくる瞬間がすごくあるので、いろいろな人に見てもらう機会を作るのがいいんじゃないかなと思います。
― モテたい気持ちもあったけれど、常に誰かに届けるための音楽を作ってきたんですね。
寺中 そうですね。誰かに何かを感じてほしいっていう気持ちはずっとあります。
KEYTALK
東京・下北沢発4人組ロックバンド。
2009年7月に小野武正、首藤義勝、寺中友将、八木優樹で結成。
2015年には初の武道館単独公演、2017年には横浜アリーナ、さらに2018年には幕張メッセ（360°センターステージ）でのワンマンライブを敢行。
コロナ禍にも活動を止める事なく、2021年8月にはアルバム『ACTION！』をリリース。そして2022年、バンド初期にリリースしていたコンセプトEP「KTEP」シリーズの第4弾「KTEP４」をリリース。2022年6月からはバンド史上最大規模となる全国50本ワンマンツーを敢行。2023年3月には、メジャーデビュー10周年を冠した2度目 日本武道館ワンマンライブを開催する。