NEK! Live Report
5月 13, 2026
NEK! 2nd ANNIVERSARY LIVE TOUR 2026
4月26日(日)渋谷CLUB QUATTRO
4月26日、渋谷CLUB QUATTRO。〈NEK! 2nd ANNIVERSARY LIVE TOUR 2026〉に集まった老若男女のオーディエンスを、ハードロックからオルタナティヴまでを横断する怒涛のアンサンブルが呑み込んだ。HikaのElectromatic Premier Jetが放つ軽やかなクランチ、NatsuのStreamliner Jetが紡ぐ密度の高いトーン。2本のグレッチが彩った祝祭の夜を振り返る。
Photo by Ryuji Kainuma
Electromatic Premier JetとStreamliner Jet。NEK!の“今”を鳴らす2本のグレッチ
4月26日、渋谷CLUB QUATTROで開催された〈NEK! 2nd ANNIVERSARY LIVE TOUR 2026〉。会場に集まったオーディエンスは実に幅広く、老若男女が入り混じるフロアの熱気からは、この2年間でバンドが着実に裾野を広げてきたことがうかがえた。ティーンや女性客のための専用エリアが設けられていたのも印象的で、誰もがもれなくライヴを楽しめるようにという配慮にも、NEK!というバンドの誠実さが表れていた。
場内が暗転すると、オープニングBGMに合わせて自然発生的な拍手が広がる。そこへHika(Vo,Gt)、Natsu(Gt)、Kanade(Ba)、Cocoro(Dr)が両手を大きく振りながら登場。歓声はいっそう大きくなる。
セッティングもそこそこに始まった1曲目は「Get Over」。足元の台に飛び乗ったHikaが激しいギターリフを叩きつけた瞬間、フロアの温度は一気に上昇。サビではNatsuとKanadeも台に上がり、Cocoroの疾走感あふれるリズムに合わせて超絶プレイを披露する。正統派ハードロックのマナーを踏襲しつつ、J-POPやオルタナティヴロックの感触も織り込んだ現代的なサウンド、そして何より4人の卓越したアンサンブルに冒頭から惹き込まれた。
「Clock up!」ではイントロから“オイ!オイ!”のコールが巻き起こり、ポップで切ないメロディをHikaがパワフルかつエモーショナルに響かせる。Kanadeはクールな表情のままスラップベースで楽曲の推進力をぐいぐいと引き上げ、Cメロのコール&レスポンスではNatsuが満面の笑みでフロアを見渡す。続く「Tic Tac Toe」ではNatsuの高速ギターリフ、Kanadeの唸るスラップ、Hikaの地声とファルセットを行き来する歌が絡み合い、ハードな演奏の中にメロディの叙情をしっかりと立ち上がらせる。さらに「GiMMiCK」では、ひび割れたようなギターサウンド、メロディに絡みつくベース、変拍子すら自然に聴かせるCocoroの安定感が際立った。
中盤以降も、その勢いは止まらない。「zero-sum」では〈しょうもない しょうもない〉のフレーズをメンバーとオーディエンスがコール&レスポンスし、“みんなの声聞かせて”というHikaの呼びかけに応えて大きなシンガロングが巻き起こる。「ENDLESSGAME」は哀愁を帯びたメロディとCocoroの疾走感あふれるドラムのコントラストが鮮烈で、どこかオリエンタルな響きが琴線を揺さぶる。
「マリンスノウ」ではHikaがアコースティックギターを抱え、Natsuは不協和音すれすれのギターフレーズで独特の緊張感を加える。その感触はハードロックだけでなく、ピクシーズやニルヴァーナといった90年代USオルタナティヴからの影響も感じさせた。また「Fake?」では、HikaがElectromatic Premier Jet(Robusto Burst)を使用。軽やかなカッティングで重厚なアンサンブルに彩りを加えていく。クリーン寄りのクランチで奏でられるそのサウンドは、弦の粒立ちや立ち上がりまでもが目に映るようだった。続く「Jumping」ではHikaがギターを置き、ハンドマイクでステージの端から端まで歩きながら、一人ひとりに語りかけるように熱唱していたのが印象的だった。
「color chord」からの2曲では、NatsuがStreamliner Jet(Gunmetal)を使用。中高域の詰まった密度の高いサウンドは、アンサンブルの中でもひときわ耳を惹く。サビではフロアが手を掲げて掛け合いコーラスをシンガロングし、Kanadeはピックを用いたシンプルな8ビートで全体を引き締める。Natsuのタッピングを交えたギターソロは、その細かいニュアンスまではっきりと聴きとれ、歌うようなプレイに惚れ惚れした。続く「OOAK」では、クランチ気味のギターが爽やかなミドルチューンに一本芯を通し、時折現れる〈Hey〉のフレーズを全員で合わせることで、会場には再び大きな一体感が生まれていた。
終盤は「令現少女」「Loner」「rip-off」と、ドラマティックかつ攻撃的な楽曲を連投。「令現少女」では幾何学的なアンサンブルがサビで一気にグルーヴへ転じ、緊張と緩和を鮮やかに行き来する展開でフロアの熱を再加速させる。「Loner」はHikaの弾き語りから疾走感あふれるバンドサウンドへ雪崩れ込み、〈People crying every night〉のフレーズでは大きなシンガロングが起きた。「rip-off」ではKanadeのスラップが唸りを上げ、エモーショナルなベースソロも飛び出す。Hikaはハンドマイクで魂を振り絞るように歌い、ラストスパートにふさわしい凄みを見せた。
歌謡曲的なケレン味を備えたメロディが印象的な「Fool」を経て、本編ラスト「Scrap Book」では〈Talk Talk? No, Talk Talk No More〉をフロアとともにシンガロング。怒涛の熱量と一体感に包まれたまま4人はステージを後にした。
鳴り止まぬアンコールに応え、Kanadeのスラップベースからスタートしたのは「MAZE」。どこかお囃子のような祝祭感あふれるビートに乗って、オクターブを上下するストレンジでスリリングなメロディをHikaが歌い上げると、フロアは熱狂。“次の曲は、みんなで一緒に歌いましょう”というHikaの呼びかけのもと、「biT bY biT」のアンセムパートを会場全体が大合唱。大きな一体感に包まれたまま、この日のライヴは幕を閉じた。
ソーシャルメディアでメンバーを募り、距離や物理的制約を飛び越えるこの世代らしいフットワークから生まれたNEK!。ハードロックを軸にしながらJ-POPやオルタナティヴ、ミクスチャーまで軽やかに横断し、高い演奏力と開かれた祝祭性を両立させる4人ならではのポテンシャルに、終始圧倒される一夜だった。
【SET LIST】
- Get Over
- Clock up!
- Tic Tac Toe
- GiMMiCK
- Frog Flog
- zero-sum
- ENDLESSGAME
- マリンスノウ
- Dear me
- fake?
- Jumping
- Dreams!!!!
- color chord
- OOAK
- 令現少女
- Loner
- rip-off
- Fool
- Scrap Book
ENCORE
- MAZE
- biT bY biT







