Cloudy Special Interview -前編-
5月 15, 2026
Electromatic Premier Jetはギターの楽しさがわかる
2023年7月に結成されたCloudyは、最近の若手バンドでは珍しいくらい骨太で男臭いロックを鳴らす4人組だ。ギターを初めて手にした時から歌が好きだったというヴォーカル&ギターの小柴タケトと、基礎練には目もくれず最初からリードの練習をしていたという根っからのリードギタリストのキノシタハルト。対照的な2人に、バンドやギターとの出会いから、Electromatic Premier Jetのインプレッションなどさまざまな話を聞いた。
― 音楽に目覚めたきっかけから聞かせてください。
小柴タケト(以下:小柴) 僕は父親がTHE BLUE HEARTS世代でして。それまでも音楽自体は好きだったんですけど、中学1年生の時に実家にあったブルーハーツの1st、2nd、3rdアルバムを父親から借りたのがきっかけでバンドというものを初めて意識しました。
― そのほかは?
小柴 ブルーハーツでパンクというものを知って、メロコアとかも含む日本のパンクを聴いてたんですけど、それと同時期にRADWIMPSもすごく好きになって、そこから歌モノ系のロックもがっつり聴くようになりました。家の近所に1週間100円とかで借りられるCDレンタルショップがあって、毎週のように親にそこへ連れてってもらっていろんなアルバムを漁って、それを携帯に入れてひたすら聴くっていう学生生活をしてましたね。
― それが今の音楽性につながってる?
小柴 そうですね。それ以降もいろんな音楽を聴くようになりましたけど、やっぱり10代の頃に聴いてた音楽が今の自分を形作ってると思います。ブルーハーツもRADWIMPSもいまだによく聴きますし、間違いなく曲作りにも影響してるなと。
キノシタハルト(以下:キノシタ) 僕はもともと、親父の車で流れてる曲を聴いていて。ただ、親父が聴いてたのはバンドじゃなくて、GReeeeN(現:GRe4N BOYZ)とかFUNKY MONKEY BABYS(現:FUNKY MONKEY BΛBY'S)みたいなJ-POPでした。で、高校の軽音楽部で何となくギターを始めたんですけど、そこから徐々にバンドを聴くようになりました。
― 最初に好きになったバンドは?
キノシタ 僕はずっとフジファブリックが好きで、ヴォーカルの志村(正彦)さんにすごく惹かれたというか。王道から外れた感じだったり、キーボードの音色だったり、ギターの音色の攻め方もすごく印象に残ってましたね。
― 小柴さんがギターを手にしたのはいつですか?
小柴 僕はずっとサッカー部で、“バンドは聴くもんだ”と思ってたんですけど、高校2年生の終わりにある小説を読みまして、それが高校生が文化祭でバンドをやるっていう内容だったんですけど、“高校の文化祭はあと1回しかないのか…”と思って、急に“バンドやりたいな”と。
― 珍しいパターンですね。
小柴 で、兄貴が2ヶ月で挫折して部屋で埃を被ってた1〜2万円くらいのギターがあったからそれを借りて、他のメンバーはバスケ部の奴らで誰も楽器を触ったことなかったんですけど、MONGOL800「小さな恋のうた」とグリーン・デイ「BASKET CASE」の2曲をやりました。でも、本当に何もわかんなかったから、バンドは4人だろうってことでギター2人でまったく同じパワーコードを弾いてました。
― かわいい(笑)。
小柴 でも“俺ら、かっけー!”みたいな(笑)。結局、文化祭が終わったら他のメンバーは楽器やめちゃいましたけど、僕は自分の曲を作りたくて、コードを覚えるところから始めて、コードを覚えてから割とすぐに曲を作り始めました。
― 最初の頃はどんな練習をしていましたか?
小柴 やっぱり、コードを押さえられないといけないと思って、王道のスピッツ「チェリー」とかを弾いてましたね。この曲はコードも簡単だし、僕は歌うのも好きだったんで、歌に合わせて弾けるようになるのが楽しくて。
キノシタ 僕も好きな曲ばっかり弾いてましたね。僕はけっこう飽きっぽいので、1曲通して弾けるようになるっていうよりも、“この曲のこのフレーズ、カッコいいな”みたいなところだけ練習して、ギターっぽいことができるようにひたすら練習してました。基礎練はまったくやってなかったです。
― コードを覚えるよりも、フレーズを弾けるように。
キノシタ そうです。最初はBUMP OF CHICKEN「天体観測」を練習しましたけど、むずかったです。でも、音源で聴いてた音が自分の手元で鳴った感動はすごくデカかったですね。あとは、フジファブリックもひと通りコピーしました。RADWIMPSもやりましたし、「おしゃかしゃま」とかみんなが通るところは網羅しましたね。
― RADWIMPSも難しいですよね。
キノシタ 難しかったです。でも、初心者でそもそも難易度がわからなかったので、難しさに対する抵抗はあんまりなくて。
― そうするうちに自然とリードギターが好きになっていくという。
キノシタ そう。だからコードを覚えるよりもリードを覚えるほうが早かったかもしれないです。

― 今回、お2人にはElectromatic Premier Jetを弾いていただきました。グレッチに対してどんな印象がありますか?
小柴 僕はもう、THEE MICHELLE GUN ELEPHANTとKen Yokoyama、チバユウスケさんと横山健さんですね。たぶん、初めて知ったのはチバユウスケさんがきっかけで、ライヴ映像を観て“この形、ちょっと独特だな”と思ってよく見たら“グレッチって書いてあるな”って。
キノシタ 僕は、デザインの影響もあるのかもしれないですけど、ゴージャスなイメージがすごくありました。無骨というよりは、キラッとした感じというか。ギタリストでいうと、ブライアン・セッツァーのイメージが強かったですね。
― お2人とも、Electromatic Premier Jetのインプレッションを聞かせてください。
小柴 すごく弾きやすいですし、けっこう軽いので、初めてギターを触る方にも向いていると思います。いい意味でクセがないんですよ。ギターを始める時に大事なのはいかに挫折しないかだと思うし、いきなりクセのあるギターを持ったせいでやめちゃうのは一番よくないので、楽器は続けることが大事だと考えてる僕からすると、これは1本目のギターとしてもすごくいいと思います。
キノシタ ネックはヘッド側が太いんですけど、ハイポジに行くにつれて指板がフラットになっていくから、リードっぽいこともできるし、ローコードで弾く時の気持ち良さもあるし、意外と何でもできるギターだと思います。めちゃめちゃギターの楽しさがわかると思います。
― ビジュアル面はどうですか?
小柴 めちゃめちゃいいですね。珍しい色合いで、見る角度とか光の当たり具合によって色が全然違って、黒に見える時もあれば青に見える時もあるし、その中間の紫に見えることもある。そういうタイプのギターをこれまであまり目にしたことがなかったし、僕は黒とか青が好きなので、もうめちゃめちゃカッコいいと思います。
キノシタ ピックアップの見た目が独特ですよね。グレッチ感がすっごいカッコいいと思います。
小柴 コントロールノブも丸くてかわいいですね。でかくてわかりやすいし、なんか気持ちいいです。
― すでに使い込んでるようですね。
小柴 めちゃめちゃ使わせてもらってます。スタジオにはいつもこいつとパソコンを持っていってるし、今後このギターから曲ができると思います。さっきも言いましたけど、弾きやすくてクセがないから、曲作りの時にも愛用させてもらってます。
キノシタ 今は主に自宅でデモを録る時に使ってるんですけど、ラフに弾いても楽しいです。音源を録る時にはシングルコイルっぽいアプローチができたり、ハムっぽいアプローチもできたりして幅が広がるので、これからもガンガン使っていくと思います。

Cloudy
2023年7月結成、東京を拠点に活動する4人組ロックバンド。メンバーは小柴タケト(Vo,Gt)、キノシタハルト(Gt)、守屋浩次(Ba)、おおつかつばさ(Dr)。THE BLUE HEARTS、BUMP OF CHICKEN、NUMBER GIRLら日本語ロックの系譜を真っ直ぐに継ぎ、小柴のガナリを効かせた歌声と骨太なバンドサウンドで20代の衝動を放つ。〈RO JACK 2025〉優勝、〈ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2025〉メインステージ出演を経て、2026年1月から『サミダレ』『孤軍奮闘歌』『捧ぐ』を3ヶ月連続でリリース。8月5日には2ndアルバム『できるだけ感動の方へ』を発表、8月より自身初の全国ワンマンツアーを行う。
