Cloudy Special Interview -後編-
5月 22, 2026
常に100%の不安と100%の自信があるんです
近年、ロックシーンにおいてメキメキと頭角を現している、骨太な4人組ロックバンドCloudy。ギターに求めるものや初心者へ勧める練習法からバンドの近況について、小柴タケト(Vo,Gt)とキノシタハルト(Gt)にじっくりと話を聞いた。“楽器はとにかく続けることが大事”と口を揃える2人の言葉の端々から、真摯な音楽愛、ギター愛が伝わってくるはずだ。
― お2人がギターに求めるものはなんですか?
小柴タケト(以下:小柴) 僕はヴォーカル&ギターなので、まずルックスはめちゃめちゃ大事ですね。あと、僕はギターを低く構えるのがポリシーで、小難しいことは隣の彼にすべて任せてるので(笑)、大事なのはコードの気持ち良さと弾きやすさ。特に、歌に悪影響を及ぼさない弾きやすさは大事です。
キノシタハルト(以下:キノシタ) 僕はリードギターなので、いちばん大事なのは音…って本当は言いたいところなんですけど、僕も見た目はかなり大事だと思っていて。やっぱり、家に置いた時に触りたくなる見た目じゃないとモチベーションが上がらないんですよね。あと、いろんな音が出るギターが自分の奏法的にも好きなんで、そこもギターを選ぶ時にはかなり見てます。
― では、ビギナーの方が練習する上でどんな練習をオススメしますか?
小柴 まずは好きな曲を弾くこと。よくFコードが難しいとか言いますけど、バレーコードじゃなくてもFは押さえられるし、全部簡単にしてもいいと思うんです。ギターは最初の1〜2か月でやめちゃう人がほとんどなので、そこを突破するために好きな曲を弾いてればいいし、コードも一つだけずっと弾いててもいいし、とりあえず続ける、毎日触ることが絶対上達につながると思います。今はネットでいくらでも調べられるから、なるべく簡単で気持ち良く続けられる方法を見つけてほしいですね。最初から難しさで苦しむ必要はないので。
キノシタ Fの話もそうですけど、最初から“このフォームで押さえられるようにならなきゃ”っていう意識でやる必要はなくて、本当にカッコいいと思ったフレーズを弾けばいいし、変な話、イントロとかギターソロしか弾けないならそれだけ練習したらいいと思います。とにかく、長く続けられるモチベーションを維持することが大事で、続けてるうちにある日突然それまで弾けなかったフレーズが弾けるようになったりすることもけっこうあるんですよ。だから、真面目になりすぎずに、毎日触ってあげるのが一番いいと思います。基礎練とかはもっとギターを極めたいと思ったらやればいい。
― では、Cloudyについて話を聞かせてください。最初は小柴さんがネットでメンバーを集めたそうですね。
小柴 自分の周りに本気でバンドをやってくれるような人がいなかったので、何もわからないながらに“メンバー募集”って検索をかけていちばん上に出てきたサイトに弾き語りとかオリジナルのデモ音源とかを載せて、“本気でやりたいんです”みたいなことを書いて、毎日サイトにログインして、いい奴がいないかずっと探してましたね。
― すぐに集まりました?
小柴 ベースとドラムは1人目で決まって。ただ、リードギターだけなかなか決まらなくて、とりあえず3ピースで始めちゃったんですけど、やるからには4ピースが絶対に良かったから、リードギターは10人弱ぐらい会いました。
― なぜ4ピースが良かったんですか?
小柴 僕は歌うことが好きで、プロになるほどのギタリストは最初から目指す気がなかったというか、自分より上手い人はいくらでもいるから、そういうスペシャリストに弾いてもらいたくて。だから、フレーズを作るのは今も好きなんですけど、それを僕より上手いキノくん(キノシタ)に弾いてもらうほうが嬉しいんですよね。歌を作ることの楽しさをギターから感じてる、みたいな。
― キノシタさんが加入したのは昨年12月でした。
小柴 前のギターが抜けて、別に募集をかけてはいなかったんですけど、勝手に連絡よこして(笑)。僕ら、結成して数ヶ月の時にキノくんが以前やってたバンドと一度だけ対バンしたことがあったんですよ。それで一度スタジオに入ってみたら、“あれ?上手いじゃん”って。ありがたいことに、それまでもCloudyに入りたいって言ってくださった方はけっこういたんですけど、キノくんは人間性も含め、プレイ的にいちばんCloudyに合うなと思ったので入ってもらうことになりました。
― キノシタさんはCloudyのどんなところに惹かれたんですか?
キノシタ Cloudyは対バンしたあともSNSとかで動向を追っていたんですけど、ギターのフレージングが独特で、アプローチの仕方も一見勢いでガツンっていく感じに見えるんですけど、実際に弾いてみると意外と運指が複雑だったりして面白いんですよね。そういう、ただの歌モノロックとは違うところにすごく魅力を感じたのを覚えてます。

― Cloudyのサウンドは、最近のロックバンドとしては珍しいくらいストレートで男臭いですよね。
小柴 それは僕が10代の頃に聴いていたバンドからの影響が大きくて。ブルーハーツに始まり、Hi-STANDARD、バンプ、ラッド、エルレ、MONGOL800みたいな2000年前後の音楽を聴いて育った人間がやりたいように曲を作るとこうなる、っていう感じです。でも、J-POPもすごく好きでずっと聴いてきているので、あまりジャンルには縛られたくないし、自分がいいと思ったものを作るようにしてます。それを他の人が勝手にジャンル分けしてくれるなら“それは好きにして”っていう感じです。
― 8月5日にニューアルバム『できるだけ感動の方へ』がリリースされますね。
小柴 今、作詞作曲で言うとまだ1曲だけ終わってないのがあって近日中に仕上げようっていう感じで、あとは録るだけという段階なんですけど、もうめちゃめちゃいいアルバムです。今後ずっと言っていきそうな気はしますけど、最高傑作であると言えます。
― Cloudyは結成3年目になりますが、野望はありますか?
キノシタ バンドとしてもそうですし、ギタリストとしてもそうなんですけれど、自分を通じてギターを知っていただけるっていうのが個人的な目標ではあります。例えば、今使ってるギターを“あの人が使ってたギターだ”みたいな感じで買ってくれることにすごく憧れるし、それくらいのギタリストになりたいと思いますね。
― 今後、Cloudyでどんな音楽を表現していきたいですか?
小柴 これまで表現してきた音楽は間違いなく自分が見てきたもの、聴いてきたものから影響を受けてると思うし、僕はそういった音楽にすごく誇りを持っているんです。で、そういう素晴らしいものを吸収してきた人間が作る音楽だって素晴らしいだろうというスタンスなので、これからも自分のまま、分からせてやりたいっていう気持ちはありますね。時代によって流行り廃りはありますけど、“ほらな、俺がいいと思ってるものはいいだろ?”って言うためにやってるところはあります。そういうことを小さな場所で言ってるのもカッコ悪いんで、会場の規模という分かりやすい結果を出していけるような活動をしていきたいですね。
― 結果を残しつつある今だからこそそういうことを言えますけど、結成当初は不安もあったんじゃないですか。
小柴 常に不安はありますよ。だけど、好きなことをやって生きていけてるわけだから、不安なんてあって当然だと思うし、それすらも楽しめてますね。僕は常に100%の不安と100%の自信があるんですよ。

Cloudy
2023年7月結成、東京を拠点に活動する4人組ロックバンド。メンバーは小柴タケト(Vo,Gt)、キノシタハルト(Gt)、守屋浩次(Ba)、おおつかつばさ(Dr)。THE BLUE HEARTS、BUMP OF CHICKEN、NUMBER GIRLら日本語ロックの系譜を真っ直ぐに継ぎ、小柴のガナリを効かせた歌声と骨太なバンドサウンドで20代の衝動を放つ。〈RO JACK 2025〉優勝、〈ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2025〉メインステージ出演を経て、2026年1月から『サミダレ』『孤軍奮闘歌』『捧ぐ』を3ヶ月連続でリリース。8月5日には2ndアルバム『できるだけ感動の方へ』を発表、8月より自身初の全国ワンマンツアーを行う。
